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ホーム ドイツ語掲示板 ドイツ語質問箱 現代ドイツ語で「(一般論としての)芸術」に冠詞は?

このトピックには3件の返信が含まれ、2人の参加者がいます。 に さんが最後の更新を行いました。

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  • #346 返信

    tmasa
    キーマスター

    自然なのは (1) die Kunst という表現でしょう。理由は、リンクを掲載してくださっている http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=2213843 の中で wirbelさんも書かれている「唯一の(概念)」というものが関係してくるでしょう。Kunst という名詞には、複数形もあって、「さまざまな芸術の形」を表すときには Kuenste とします。

    (例)bildende Künste: 様々な造形芸術(彫刻、絵画、工芸など) Kunst → Künste

    つまり、この Kunst という名詞は可算名詞です。ドイツ語では、可算名詞を無冠詞で使用することは通常ありません(慣用句的な表現は例外です)。

    (参考)慣用句で無冠詞で使われる例:
    Kunst bringt Gunst. 「芸は身を助く」

    上記のように、「○○というもの(概念)」というように「総称」的に表現するとき(これを generic reading 「総称解釈」とも言います)は、定冠詞をつけることがほとんどです。あるいは、無冠詞の複数形でも構いません。あるいは不定冠詞を使うときもあります。いずれにしても、可算名詞を単数形で無冠詞で用いることはほとんどありません。

    ○総称的表現
    Die Zeit heilt alle Wunden. 「時というものはすべての傷を癒してくれる」
    Die Zeit fliegt wie ein Pfeil. 「光陰矢の如し」
    ※ Zeit にも複数形があります(Zeit → Zeiten)。ただし純粋な可算名詞ではなく
    概念名詞ですので、総称的な表現では「定冠詞つき単数形」を用います。複数形です
    と「様々な時代」のような意味になります。

    Die Mutter liebt ihre Kinder bedingungslos. (定冠詞単数形)
    母親というものは子供を無条件で愛するものだ」
    Muetter lieben ihre Kinder bedingungslos. (無冠詞複数形)
    「意味は同上」
    Eine Mutter liebt ihre Kinder bedingungslos. (不定冠詞単数形)
    「意味は同上」(形式上、ひとりの母親を取りあげていうことによって、それで
    全体を代表させる=総称的)
    ※こちらは純粋な可算名詞ですので、総称的表現に複数形も用いることができます。

    最後に、不可算名詞(複数形を持たない名詞)の場合は、無冠詞でしか使用できません。

    (例) Besser, Wein auf Bier zu trinken. 「ワインを飲むならビールのあとがよい」

    このような不可算名詞に“数の概念”を持たせるときは、容れ物や質量などを表す助数詞表
    現を添えます。

    (例)助数詞(不可算名詞) ein Glas Bier 「グラス一杯のビール」
    zwei Glas Bier 「グラス二杯のビール」

    ご質問についての結論としては、Kunst は複数形があるという時点で可算名詞ですので、慣用句的な表現でない限り無冠詞で Kunst という形で使うことは稀です。ただ、Kunst は可算名詞ではありますが、普通名詞ではなく抽象的な概念名詞ですので複数形で総称表現を表すこともありません(複数形で使ってしまうと、複数の異形・類似概念が取り込まれてしまいます。普通名詞の複数形は、同質のものが複数個集まっているだけだということに注意してください)。従って「芸術というもの(総称的な意味での芸術)」は定冠詞
    単数形 die Kunst と表現するほうが多いということです。

  • #348 返信

    tmasa
    キーマスター

    「時というもの」という総称的な表現も、定冠詞をつけて表現します。上でも書きましたが、

    Die Zeit heilt alle Wunden. 「時というものはすべての傷を癒してくれる」
    Die Zeit fliegt wie ein Pfeil. 「光陰矢の如し」

    という具合です。ただ

    Zeit ist Geld. 「時は金なり」

    というように無冠詞で用いる慣用句表現もあることも申し添えます。

  • #345 返信

    kk

    私は英語の勉強をしていますが、ドイツ語はほとんど出来ません。ここのところドイツ語を英訳したものがテキストになっていて、その英語にちょっと引っかかる表現がありまして教えていただきたいことが出来ました。冠詞についてです。

    現代ドイツ語で「(一般論としての)芸術」に当たる表現としては
    (1) 冠詞つきで ”die Kunst”
    (2) 冠詞なしの “Kunst”
    のどちらの方が自然ですか?

    以下に補足をいたします。

    (1)イェスペルセン『文法の原理』(中、岩波文庫、安藤貞雄訳、p.225)に次の記述があります。(この本ではドイツ語の名詞の語頭は小文字で表記されています)

    「ゲーテの『ファウスト』でヴァーグナーはいう、
    Ach gott! Die kunst is lang: Und kurz ist unser leben. (Faust: erster Teil)
    [ああ神よ! 芸術は長くわれわれの人生は短い]」

    (2)彼はこの引用部の直前で、
    「チョーサーは “The lyf so short, the craft so long to lerne.” と言ったが現代英語では冠詞を使わない」
    として次のロングフェローの詩を挙げています。
    「Art is long, but life is fleeting. (A Psalm of Life 13)」

    すなわち、イェスペルセンによれば中英語では「芸術」は “the craft”であり、「人生」は”the life”であったのが、現代英語では冠詞を使わない “art”及び ”life” となるというわけです。

    (3)では現代ドイツ語で「(一般論としての)芸術」というとき冠詞はどうか、というのが私の疑問なんです。

    ・ なお、私の関心のありかについては
    http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=2213843)を見てくださるとありがたいです。

  • #347 返信

    kk

    「芸術というもの(総称的な意味での芸術)」は定冠詞単数形 die Kunst と表現するほうが多い」と言うご回答、ありがとうございました。Kunstが可算名詞ということですね。

    それでは、関連してもう1つだけ教えてください。

    「(一般論としての)時間」は
    (1) 冠詞つきで “die Zeit”
    (2) 冠詞なしの “Zeit”
    のどちらがより自然ですか?

    例えば、英語にはtimeが不可算名詞として用いられて ”Time flies.” (光陰矢の如し)という表現があります。ドイツ語にも ”Zeit” を用いた同様な言い方があるのではないでしょうか。 もしあるとして「(一般論としての)時間」に当たる部分は
    (1) 冠詞つきで “die Zeit”
    (2) 冠詞なしの “Zeit”
    のどちらを用いるのかということです。結論だけで結構です。よろしくお願いいたします。

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